写真からは想像し得ないであろう『Amour』という名をつけたのは、根本には純愛があるからでした。
夏目漱石『夢十夜』の「第一夜」は死にゆく女性に「百年待っていてください」と告げられた男性が、女性の言葉通りに墓の横で待ち続けていると女性の墓から百合の花が咲き、約束の百年が経過したことに気がつくという漱石の幻想文学です。今回はその物語を元に女性側の思いを、能における「前シテ・後シテ」の構造をイメージして描きました。執着は時に身を滅しますが、一人の人間を想い続ける純粋さは美しいと思うのです。
主演はSCANDALのRINAさん。芍薬の花のような方だと思いました。お互いの好きなものを話していくうち、RINAさんの繊細で柔らかな感性に、耽美なものやホラー映画の質感をスパイスとして合わせたようなものができればと思い立ち、この作品を作り上げました。私を見つけてくださって出会えたことにとても感謝しています。

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2025年10月31日(金) – 11月9日(日)
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